5実行編〜みんなの場合
みんなのようす
それでは、同僚たちはどんなふうにテレワークライフを満喫しているのだろうか? 話を聞いてみた。
1デザイナー、Nさんはほとんど仕事してないことが発覚
「Nさんはたぶん、全然仕事していません。スカイプが、だいたいオフラインになっているんですよね。パソコンの前にいないから、すぐスリープになっちゃうんだと思います。実際、頼んでいた仕事も全然あがってこないし」
という苦情が、テレワークを始めて2か月後、デザイナーチームのリーダーKさんから入った。どうしたもんかと頭を抱えている。
デザイナーはさぼりがち
テレワークでばりばり働くか、怠けるか、は業種によることが大きいのかもしれない。僕のような営業系は外のお客さんとの締め切りを抱えているから、家だろうが会社だろうが、とにかく期日に間に合わせなければならず、さらに打ち合わせだのなんだのでしょっちゅう外出するから、怠けている暇がない。
しかし社内の仕事をずっと家でやり続けるデザイナーは、メリハリがなくなりがちなのだ。これはかなりの自制心が必要なようで、Nさんも舌を出してテレワークライフを満喫しているのでもないらしい。「あたし、嫌です、テレワーク。外に出勤したいです」と言っていたので、もんもんとしながら家でサボっているのだろう。
2デザイナーのリーダー、Kさんはストレスをためている
そのNさんへの苦情を訴えているKさんは、テレワークをわりと気に入っているようだ。出勤がなくなってうれしい、と言っている。しかし、Nさんはじめ、部下5人の仕事が、どれもこれもいまいち捗っていないことにいらいらしている。なにしろ始めての状況で、こんな場合、どのように対処していいか五里霧中。それがよけいKさんのストレスを増しているらしい。
「Nさんに、あんた仕事してないよね、と言うわけにもいかないし…でも、絶対してないし…いつあの仕事はあがってくるのか…ああ、いらいらする」
3専務、Hさんは奥さんと密約を結ばされた
Hさんは仕事部屋を作り、個室で作業できる恵まれた環境だが、テレワーク開始か月後、奥さんに一方的に条約をつきつけられた。その内容は、パートタイマーである奥さんの休日の日(平日)は、Hさんは必ず外出しなければならない、というもの。Hさんは奥さんが休みの日は、ドトールやスタバなどで仕事しなければならなくなった。
さらに、土日は出勤している奥さんにかわって食事作りもHさんが担当している。が、Hさんは料理が好きらしいので、これは別にいいのか。
個室にこもって仕事することすら許されないHさんに、僕はとても同情している。しかし多くの夫婦はこんなものなのかもしれない。
4経理のTさんは太り気味
経理のTさんは、通勤時間がないのが楽で、休憩時間扱いで子供の送り迎え、PTAの会合に参加できてできるのがよい、と喜んでいる。
「テレワークは自分に向いていると思う。ただ、やはりオンオフの切り替えがしにくく、仕事を終えても終わった気がしない。そして、間食が増えて太り気味なのが最大の問題」だという。
5デザイナーIさんは予想外に会社が機能しているので驚いている
「通勤時間を仕事にあてられることで、自分の時間を持てるようになり、うれしい、テレワークは向いていると思う」とIさん。帰宅時間も気にしなくてよくなったので、残業するにもストレスが少なくなった。しかし、土日もメールが気になるし、仕事が終わってもすっきりしないので、やはりなにかしらメリハリをつける作業及び環境がほしい、とも思う。さらに、リージャスから電話転送してくれるのは3人までで、自分はその中に入ってないので、電話が必ずこちらからの折り返しになってしまい、相手に負担をかけているのでは?と気がひける。
そして、気軽に隣の席の人に聞けないので、コミュニケーションが取りづらい。確かにSkypeのチャットで聞けばいいのだけど、相手が席にいるかどうかがわからないから、タイプするのが億劫になる。
あと、週に1度のミーティング兼ランチは、無意味では?ご飯食べながら仕事の話なんて集中できない。
でも始まる前はかなり不安だったが、実際スタートしたらちゃんと回ってるから驚いている。